おふろミステリー5 ラストストーリー
天空への道に続く虹の梯子の裏にある宝箱の中に入っている光る黄金の洋梨のこと。仮死状態の人に食べさせると治すことができる。
望月「では、紺野さんは助かるのですね！」
北本「そうだな。ではこれを……」
水沢「残念だけど、多分その実を食べても真実を聞くことはできないんじゃないかな」
結城「どういうことですか？」
水沢「その実を口にすると、命が助かるかわりに過去の記憶が全部なくなるって昔に噂で聞いたことがあってね。今回のツアーには本当にそんな実がこの世にあるのか、自分の目で確かめてみたくて参加したんだ」
望月「そんな……」
その後、北本が紺野の口の中に実を含ませてみると、不思議なことが起こった。確かに意識は戻り傷もよくなったが、このツアーのことも過去の出来事もすべて忘れてしまっていた。ただし、どうやら目覚めてから初めて見た人物との記憶だけは思い出すことができるのか、北本の顔や話だけは理解することができた。
水沢「この後のことは、北本先生とガイドスタッフさんに任せてもいいですか？」
ガイド「そうですね……わかりました！」
水沢「それじゃあ、1週間の滞在予定のはずだったから予定より少し早いけれど、お先に失礼します」
北本「待ってくれ。ちょっといいかな。君は一体何者なんだ？秘宝の正体も知っていたようだし、それに……君の匂い……。いや、勘違いかもしれないがね、1日目の夜、私たちのテントの中で薄っすらとグレープフルーツの香りがしたような気がするんだ。君はまさか……」
水沢「うふふ。北本先生。あなたとはまたどこかでお会いすることになりそうね」
To be continued
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